鑑賞をする、ということ2011/09/29 23:08

  今までに僕が接した作品は多くはないと思いますがそれでも「いいな」と思った作品はたくさんあります。その「いいな」と思える写真にはどんな要素が含まれているのかを考えて見たことがあります。しかし、何がその「いいな」と言わせる要素なのかは未だに分かりません。

 文字を媒体にする文学は、多分、作品に登場するいろいろな人々の人生を垣間見て「こんな人生もあるんだ」とその生き様に感動をさせる力があるのだろうと思います。
 映画にもそれがあるような気がします。映画には映像と言葉と音楽があり、文学よりも具体的に他人の人生を見て感動します。
 僕は音楽に心が揺さぶられるという経験があります。聴いていて何となく勇気をもらったりすることも多々あります。しかし、その力がどこから来るのか説明は出来ません。
 絵画が与える感動はどんなものなのでしょうか。文学や映画とは異なるのでしょうか。「いいな」と思える作品に出会ったことはありますが僕にはその感動がどこから来るのかやはり説明ができません。

 絵画と同じように静止画像だけで、音楽なし、短いキャプションを除いては言葉もなしの写真にはどんな力があるのだろうかと考えます。
 写真にも様々なのがあります。日々新聞や雑誌に掲載される報道写真やファッション写真、風景写真、動物の写真、ポートレイト、家族写真など際限がありません。

 僕は写真が好きなので写真を撮っています。しかし、表現媒体として写真が与える感動にはどんな要素があるのか、または、必要なのか、他人に説明できるほどには分かっていません。分かっていることは、僕は「人の気配」がする写真が好きだということです。その「人の気配」は小説や映画に登場する人物のように具体的な人格を持った人を表現していることもありますし、そうでない場合もあります。
 
 自分の浅薄さを露呈する以外の何ものでもありませんが、僕はこんなことを考えています。

 写真はリヨン駅構内のキャフェで。2006年12月
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