映画「ちいさな哲学者たち」2011/10/01 22:32

 フランス映画の「ちいさな哲学者たち」のお薦めです。
登場するのは小さなは幼稚園児たちです。4~5才の子供たちに「愛とは」「自由とは」「親の役割とは」などと問いかけることで考えること、言葉で表現することの重要さを体験してもらう実際の授業を2年間に渡り記録した作品です。

 僕はこれを観ている最中に思い出したことがありました。
 イギリスのブライトンで下宿をしている時のことです。アレックスという一浪の大学受験生、キングというアフリカからの受験生の二人が夕食後に居間で必ずと言っていいほどにいろいろな議論を展開していました。世代が似ていることもあって僕は不十分な英語でしたが加えてもらいました。週末には深夜まで議論が続きました。その時に僕が学んだことは「結論を先に言う」「その結論に至った理由を言う」ということでした。そして、「理由付け」が不十分な時にはどれだけ素晴らしい「結論」を言っても相手にされました。
 この映画の中でも同じでした。子供たちの発言に対して教師は常に「なぜpourquoi」と問いかけます。子供たちは「何となくそう思う」などということは決して言わず、懸命にその理由を説明しようとします。
 
 この映画はフランスに限らず西欧文化全体に共通する発想の仕方を大変明瞭に示しているように思えました。
 まだでしたらお薦めです。
http://tetsugaku-movie.com/

大坂忠写真展「マンハッタンの主たち」2011/10/02 22:42

 何度もここで宣伝することをお許しください。
 いよいよ5日からペンタックスフォーラム新宿での個展が始まります。それに先立って展示作業が3日の午後になされます。展示作業そのものは専門の業者がやるのですが、僕は照明のことなど最終チェックをするのに立ち会う必要があります。その様子はあすのブログで紹介ができると思います。
 
 今回もDMや額縁のデザイン、製作から展示レイアウトの作成まで旭川のラボ・フューズのお世話になっています。その額は銀箔を施したラボ・フューズ特製のマットが用いられています。僕の作品よりも舞台装置である額の方が立派かもしれません。

 展示作品はA3ノビをA2サイズの額に入れています。その他に、販売用としてA5サイズにプリントしたのを銀箔マット付きの額に入れて販売をします。
 販売価格一部を下記に記します。
  額装済小(A5)銀箔マット付き 6,800円
  額装済A5マットなし        4,500円

 4日(火曜日)はギャラリーが休みで、初日は5日(水曜日)す。
 僕は全日程、会場にいますのでお出かけの折には是非お声をかけてください。

開催期間:2011年10月 5日(水)~10月17日(月)10:30~18:30
会場:東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービルMB(中地下1階)   ペンタックス スクエア内 ペンタックスフォーラム
TEL: 03-3348-2941  
http://www.pentax.jp/forum/access.html
http://www.pentax.jp/forum/2011/08/20111005.html

個展の準備2011/10/03 21:36

  今日から東京の新宿に来ています。ペンタックスフォーラム新宿での個展の展示作業のためです。実際の展示は5日(水曜日)からなのですが今日が展示日で、明日、火曜日は定休日ということです。展示期間は5日から17日までの2週間です。僕は期間中、ず~っと会場にいる予定です。
 2009年にも同じ会場で個展をやっています。題は「下北半島にて」でした。僕が写真を再開するにあたって、若いときの作品に区切りをつける意味で重要な展でした。その時もプリントの販売をしましたが、買う人なんか居るはずがないと勝手に決め込んでいましたので用意したプリントは数枚でした。しかし、都合7枚くらいは販売できました。で、今回はもっと気合いを入れて売ってみようと、お昼時間以外はしっかりと店番を努めようと思っています。用意したA5サイズのプリントの数もたくさんあります。旭川のラボ・ヒューズ特性の銀箔マット付き額もたくさん用意しました。
 是非、お出かけください。押し売りをしたいと思っています(笑)。

 今朝、札幌を出るときには手袋が必要だと思わせるくらいの冷え込みでした。東京に来てみると秋ですが春のような陽気で、ちょっと拍子抜けしました。

 写真は作業の様子

どぶ板通り2011/10/04 20:24

 今日は休日でした。
 ペンタックスフォーラムは火曜日が休日で土日は営業をしています。従って、ギャラリーも同じになっています。やはり土日にカメラの修理に来る人も多いのでペンタックスファンの人達にとっては便利だろうと思います。それらの人々は必ずと言っていいほどにギャラリーも覗いてくれますからありがたいです。
 そんなわけでたった2週間と言えども何年も「通勤」をしていない僕にとっては、明日から六日間の「通勤と勤務」をして一日休んで、が始まります。営業時間は10時半から6時半までです。

 今日は横須賀市の市中にある通称「どぶ板通り」へ言ってきました。特に理由はないのですが妻が2年ほど前の新聞記事を保存してあって、たまたまそれが出てきたので、じゃ、ということになりました。
 京急本線汐入駅から徒歩数分のところにあります。この近くには今も米海軍が駐留しています。昼食に入ったレストランの人の話によると今日は船が入っていないので通りが静かだということでした。それでも、普通の街では見かけない米軍人何人かを見かけました。
 閉まっているバーやレストランの営業時間を見ると雰囲気はやはり夜になると活気が出るように思いました。

 写真家の森山大道は若いころに横須賀を撮っています。下記のサイトに記事があります。
http://getsuyosha.jp/ootake/04.html

 ----横須賀を撮ったきっかけは何ですか。
「それはなんと言っても東松さんの「占領」が大きいです。あのシリーズの横須賀にすごく惹かれてましたから。逗子に住んでいたから横須賀は隣町で、あっ、あそこを撮ればいいんだっと思って。

ペンタックスフォーラムの個展初日2011/10/05 22:30

  今日は展の初日でした。あいにくと朝から雨もようで、ペンタックスフォーラムの修理受付部門も比較的静かだったようです。
 僕の展も2年前に経験した人数には至りませんでした。しかし、そこは新宿です。絶え間なくお客さんが来てくれました。

 その中の一人に、僕が敬愛する小説家の南川泰三氏(近著:グッバイ艶=幻冬舎刊)がいました。何ども会場を回って鑑賞をしてくださいました。そして、「マンハッタンと言うだけの作品説明で個々の写真の説明が全くないというはびっくり。僕は作家のせいか個々の写真の説明を言葉でやりたくなる。僕にはできない寡黙な表現の仕方だ」と話していました。

 いつも事なのですが、僕のプリントをみて「やはりモノクロはいいですね。この奥行はデジタルでは難しいですよね。カメラは何を?」と質問をされることが度々あります。作品説明の掲示と一緒に使用機材の紹介を書いているのですが・・。
 僕のプリントが特に優れているとは思っていませんがプリンターの性能の進歩に感謝なことです。
 多くの場合、僕は「ありがとうございます」とだけお答えしています。

 販売用の作品をたくさん用意しましたので明日は売れるといいなと思っています。

ペンタックスフォーラムの2日目2011/10/06 22:37

 幸いに昨日の雨が嘘のようにあがり、好天に恵まれました。気温もシャツ一枚で外を出歩くことができる程度で快適でした。
 僕の展には昨日以上のお客さんが来てくれました。途切れなく、時にはお客さん同士がぶつかり合う位の盛況でした。


 ある、ご自分でも写真のギャラリーを経営なされているという70歳くらいの方とお話しました。
「自家プリントですか」
「はい、そうです」
「いい調子で仕上がっていますね」
「ありがとうございます」
「ラボに出しても、必ずしも好みに仕上がるわけではないからね」


 僕の写真技術は独学です。フィルムの時もそうでしたがデジタルになった今も試行錯誤を繰り返して、本を読んだり、WEBで知識を得たりしながら独りで学んでいます。撮影の技術はフィルムカメラと基本的には変わらないので若い時の経験が役に立つのですが、デジタルプリントは全く異質なものです。自ずと、僕にとっては高価な紙とインクを沢山無駄にしてあ~でもない、こうでもないとぶつぶつ言いながら、暗中模索しながらプリントをやっています。そして、このプリントの仕上がりが、作品の内容を差し置いて僕をいつも不安にします。


 そんなことでたくさんのオリジナルプリントを見続けている方に「いい調子ですね」と言われると、僕は安堵し、嬉しくなります。

  
 今日はそんな日でした。

 昨日、展に来てくれた作家の南川泰三氏が彼自身のブログに感想を書いてくださいました。
下記がサイトです。立ち寄ってみてください。


「説明なしの寡黙な写真展」
 http://taizonikki.exblog.jp/

写真は西新宿の林立する高層ビルのスキ間からの秋空です。

ペンタックスフォーラムの3日目2011/10/07 21:09

 66歳の自分のことを棚に上げてのことですが・・。
 今日まで水、木、金と3日間、会場に「勤務」をしていて思いました。来場者の90%以上は明らかに70歳前後かそれ以上と思えるのです。いちいちお歳を尋ねることもできませんが僕の判断は当たっていると思います。
 立ち話をしながら出てくる写真家の名前や若い頃に使っていたカメラの名前などが出てくると、おおよその見当が付くというものです。 


 ペンタックスフォーラムの方のお話を聞いても、やはり公募への応募者の高齢化は明らかに見られるということでした。また、ペンタックスにはペンタックスファミリーという愛好者の会員組織がありますがこちらもやはり高齢化が進んでいるので何かの抜本的な対策をたてないといけないというお話でした。


 この高齢化社会はいろいろな場面で顕著になっているんだなと改めて実感しています。


 が、しかし、ペンタックスのKr(ボディー12色、グリップ10色、レンズ12色のカラーを選んで自分の好みのをカメラにすることができる)を試すためにたくさんの若い女性がショールームに来ているのを見かけると、少しは展望があるのかなという気にはなります・・。


 写真は高齢化社会を構成している一人。

ペンタックスフォーラムの4日目2011/10/09 00:20

 今朝、僕の出勤途中に、大きなリュックサックを背負い、登山靴を履いた若い人たちがJR新宿駅方面に急いでいるのを見かけました。こんな天気の良い連休に写真展を目当てに出かけて来る人はいないだろうと思いながら、元気いっぱいに大股で歩く人々を眺めていました。
 
 
 そんな思いに反して、今日は若い人々が沢山来場してくださいました。
 お一人、どこかでお会いしたような気がする40歳代の男性がいました。思い出せないな~、困ったな~、僕も物忘れが始まったな~、と思っていましたらその方からお声をかけていただきました。ホッとしました。
 札幌の方で、「遠友塾」の展に来てくださった方でした。まさか、札幌から、と思いましたら、出張とちょうどタイミングがいい日程であったので観に来ましたということでした。
東京での貴重なお時間を僕の展のために、と思い恐縮してしまいました。

 中年のご夫婦ともお話をする機会がありました。最近、写真を始めたという180センチ以上はあるような長身で細身の夫と日本人女性でも背が低いくらいな妻と、矢継ぎ早にいろいろな質問をなさっていました。
 聞くと、写真を始めるにあたり住んでいる街の写真クラブに入会したそうです。そこで見せてもらった会員の写真は山などの風景写真ばかりで、少しがっかりしたということでした。
 曰く「ここに飾ってあるような街の人々を撮りたいのです。どうしたらこのように摂れますか。私たちはヴァンクーヴァーに住んでいます。確かに豊かな自然に囲まれていて山の写真を撮りたい人にはうってつけだとは思うのですが・・・」と。

 写真はNYプラザホテル。2010年12月

ペンタックスフォーラムの5日目2011/10/09 21:21

 ここにいつも書き込みをして下さるnakkyさんは僕と同じ札幌在住なのです。で、nakkyさんはペンタックスの僕の展を観ることができません。しかし、東京や近郊に住んでいる知人友人へ僕の展の広報をしてくれています。6月のキヤノンギャラリー銀座での「遠友塾」のときにも同じようにやってくださいました。
 そんなことで、今日はmikiさんとご友人が連れ立ってお出かけくださいました。その上、ハガキを数枚お買い上げくださって、売上にも貢献してくださいました。大変ありがたいことで、ペンタックス共々感謝します。
 その同じ時間帯にぷろこるはるむさんが、新幹線で大阪から来て下さっていましたので、nakkyさんを通じてつながっている方3名が期せずし会場てバッタリ会うことになりました。

 
 昨日は僕の大学時代からの友人である戸田さんにここの左下にリンクがある市村君を紹介できました。戸田さんは、僕が紹介を終える前に「はいはい、あの公認会計士の市村さんね」と、すぐに分かりました。


 かくもインターネットは便利で楽しいものだと、改めて認識をしました。


 今日は連休の仲日でした。今日あたりの関東の気候は外で遊ぶのに最適です。そんなことで少なめのお客さんでした。


 写真は「マンハッタンの主たち」から「ホテルのロビーで絵はがきを書く人」
 展の会場でのある人の感想「多分、家族か友人に絵はがきを書く人と別れを惜しむ若いカップル。人生いろいろ、ですね」と。

ペンタックスフォーラムの6日目2011/10/10 21:52

  この三日間は好天に恵まれて行楽の人々にとっては素晴らしい連休であったと思います。反して拙作の展への出足は静かでした。そうは言ってもやはり新宿ですから様々な人々との出会いを体験させていただきました。
 
 ペンタックスフォーラムの入り口に立ち、ギャラリーを覗いて「わ!人だ!」と言って回れ右をしてお帰りになる方もいます。また「おー、久しぶりの人物写真だ」と言ってじっくりと見て下さる方もいます。
 「写真はやはり人物」と言葉に出して下さる方がいると僕はとたんに元気になります。
 35~6歳の女性がひと回りし、ふた回りし、販売用のハガキを丹念に見ていました。ふた周りしてくれる方は僕も気になります。
「いかがですか」とお声をかけました。
「いいですね。私はニューヨークが好きなんです」
「そうですか。度々ご旅行をなさるんですか」
「いいえ、一度も行ったことがありません」
「そうですか。僕らも2度だけでが・・・」
「東京新聞に記事が出ていましたよね。[ニューヨーク][モノクロ写真]という言葉があると、私は居ても立ってもいられなくなるんです。めったにないことですから」
 僕はその記事を見たことがありませんでしたので見せていただきました。彼女の手の中に半ばクシャクシャになった切り抜きが有りました。確かに名刺の半分くらいのサイズですが記事になっていました。
「この音楽はペンタックスが選んだんですか」
「いいえ、僕のCDです」
「そうですか。私もSadeが大好きです。ニューヨークのモノクロ写真とSadeで、私はすごく幸せです」
と言って、ハガキを数枚買い求めてくださいました。

 今日は少しヒマでしたが結局、ハガキのモノクロ写真は残り2枚になってしまいました。
 明日は休館です。また、水曜日から後半の日程が始まります。


 写真はPentax Q で撮った会場です。
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