「赤木ファイル」国が存在認める=その22021/05/16 12:51

毎日新聞 2021/5/15 東京夕刊
「週刊テレビ評」金平茂紀
「赤木ファイル」国が存在認める それでも真実から逃げるのか=
https://mainichi.jp/articles/20210515/dde/018/070/007000c

 それは予想をはるかに超える強い反応だった。森友問題に絡み、財務省の公文書改ざんに関与させられ、自責の念から心の病に陥った末に自殺した近畿財務局元職員・赤木俊夫さん(享年54)。彼が生前に改ざんの経緯を詳細に書き記していたいわゆる「赤木ファイル」の存在をめぐって放送した「報道特集」(TBS系、1日放送)が終わるや、すさまじい量の共感・支持の声が届いたのだった。

 僕も直接取材に関わったので、コロナ禍が長期化する中、人々はまだ森友公文書改ざん事件を忘れていないのだ、という思いを再確認することとなった。とりわけ、赤木さんの直接の上司・池田靖統括官(当時)への路上での直撃取材は強烈なインパクトを残したようだった。


 正直に告白すれば、こういう種類の取材はできればやりたくない。だが、取材拒否を続けている池田氏へのアクセスは他に方法がなかった。それを後押ししたのは、赤木さんの妻・雅子さんの揺るがぬ思いだった。俊夫さんが池田氏を心から信頼していたこと。俊夫さんの死後、弔問に訪れた際に池田氏の側から「赤木ファイル」の存在を雅子さんに明かしていたこと。それらを僕らは雅子さんから直接聞いていた。

 直撃取材に対して池田氏は当初、無言で立ち去ろうとしたが、雅子さんの思いを伝えると足を止めた。そして体からしぼりだすように「(弔問の際、雅子さんには)真摯(しんし)に対応しました」「今、一番大事だと思うことは、故人の尊厳を守ることです」と述べた。池田氏が言えたギリギリの言葉だったのかもしれない。放送では、闘病中の俊夫さんの映像も紹介したが視聴者には衝撃的だったようだ。5日の朝日新聞朝刊が、国が一転、「赤木ファイル」の存在を認める方針とスクープ。翌6日、国は、赤木さん側に「6月23日に裁判所に提出する」との文書をFAXで送付してきた。墨塗りを施すのに時間がかかるという。

 池田氏もある意味で被害者の一人だ。近畿財務局で彼に改ざんを命じた上司、そのまた上司、その上の局長。大部分がその後、昇進栄転した。さらに財務省の官僚たち。佐川宣寿元理財局長。今、どこで何をしておられるのですか。国会の証人喚問で「刑事訴追の恐れがある」と証言拒否をした。改ざん事件を不起訴とした山本真千子・大阪地検特捜部長(現在は大阪高検次席検事)。「赤木ファイル」を押収して内容を把握していましたね。そして安倍昭恵氏。真実から目を背けて、これからの人生を生きていかれるのですか。(テレビ報道記者)

コメント

_ ク… ― 2021/06/18 07:37

淡路島の巨大観音像 解体に近畿財務局…飛び降り自殺した男性
身元が出てないのか?

この事件の関係者じゃないですよね?…

そして、大阪の企業が解体

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://tadashi.asablo.jp/blog/2021/05/16/9378110/tb

Free Access Counter Templates