僕の45年間-1202011/05/25 23:02

 僕は次の日曜日か来るからと伝えてその日は帰りました。

 翌週、僕にとっては早朝の7時に家を出て、バス代を節約するために徒歩で洗車場へ向かいました。僕が着いたときにはすでに10人ぐらいが並んでいました。僕の後ろにはまた数人並び始めていました。僕の前にいたアフリカ系の人に「何人位採用されるのか」と聞きました。彼は日によって違うけれど10人前後だと教えてくれました。
 僕は自分は何番目だろうと思い、先頭から数えました。12番目でした。あきらめて帰ろうかと思っていたころに昨日の責任者が「You, You, You」と言いながらその日の採用を先頭から決め始めました。数に入った人は「Thank you」と言いながら列から離れて行きました。
 しかし、僕の前まで来て一瞬彼は立ち止まりました。僕は初日からだめかと思いました。だめだったら昼食は抜きだなと覚悟を決めました。彼は「Do you think it’s going to rain today? 」と独り言を言って曇り空を見上げているのです。なぜか彼は「Ok. You」と言って僕までを採用してくれました。
 僕の後ろにいた人たちには「See you tomorrow」と言って採用された者たちに仕事の割り振りをし始めました。僕は新米のせいか洗剤で洗う係りを指示されました。

 翌週からは家を6時に出ました。それでも僕より早く来て並んでいる人がいました。白人もいましたがアジア系アフリカ系の人たちが主でした。僕は早い者勝ちとはこのことだなとつくづく思いながら毎日曜日、6時前にはフラットを出て洗車場へ走って行きました。

 何回かは寝坊をして、僕の前で採用が終わってしまうこともありました。その悔しさといったら屈辱的でさえありました。いろいろと悔しい経験はしましたが、洗車の仕事が外れたときの地団太を踏む悔しさは未だに鮮明に残っています。

 写真はパリのリヨン駅のキャフェでバケットのサンドイッチにかぶりつく人々。僕はボーンレスハムとチーズのサンドイッチが一番好きです。
2005.12

コメント

_ nakky ― 2011/05/25 23:24

そうですよねぇ~・・・
わざわざ遠くまで出かけて、直前で打ち切られたら
悔しさは一塩でしょうねぇ。

_ 大坂忠 ― 2011/05/26 00:41

その日一日、空腹に耐えて、何事にも腹立たしさをを感じる羽目になりました。しかし、当時の僕の体重は理想的であったように思います(笑)。

_ nakky ― 2011/05/26 10:53

「ラマダン」ですね(笑)

_ 大坂忠 ― 2011/05/26 16:54

こんにちは。
痩せるには断食が一番でしょうね.
カスミを食べても生きて行ければと思うのは世の多くのメタボ人種ですね.

_ 前田國輝 ― 2011/05/29 15:01

初めて書き込みします。大坂君が住んでいた中野のアパートへ催涙弾が投げ込まれた下りは意外でした。私も大学卒業時に大学側が授業料値上げを白紙撤回したことを思い出しました。思えば今は良い時代ですよね。

_ 大坂忠 ― 2011/05/29 15:36

前田様
こんにちは。
書き込みをありがとうございます。

中野のアパートに催涙弾・・・は誤解です。
それは南川さんの文章です。
僕の書き方が下手でした。

でも、書き込んでもらえて嬉しいです。
多分、5〜60人の人に読んでもらっているとおもうのですが、ときどき”空”に向かって書いているような気がしてくることがあります。
青森の様子でもなんでも良いのでドンドン書き込みを、どうぞよろしくお願いします。

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