裁判の傍聴-1 ― 2014/04/10 21:21
僕は、数日前に裁判所へ出向いて公判の予定表を見せてもらい、今日の11時からのを傍聴すること事前に決めていました。幾つもある公判の中から罪状が「風俗営業XXX迷惑条例違反」というのを選んでおきました。
ここで大きな人間ドラマが展開されるとは思えないくらい建物全体が静かでした。開廷10分頃前に傍聴席のドアが開けられて入廷しました。関係者以外の傍聴人は我々二人だけでした。
法廷は、僕が経験したことがある英国の裁判所のような厳かな感じはありませんでした。すべてが木質系の建材でしたが味もそっけもない現代建築という感じでした。
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やがて検察官、弁護士が着席しました。僕はそろそろだなと思っていると音もなく右手のドアが開き被告人が入廷してきました。腰縄が見えました。僕は少し緊張を覚えました。
刑務官二人が左右にぴったりと体をつけて被告人をはさみ、被告人が万が一にでも妙な動きをしたら素早く対応ができるような風でした。弁護人の席は右側で、被告人はその直前にあるベンチの前に立ちました。腰縄を解く間も二人の刑務官はぴったりと体を寄せて被告人が無用な動作ができないように大変注意深く縄をはずしました。
間もなく黒い法服をまとって裁判長が入廷をし、何となく全員が起立し、礼をしました。
イギリスの法廷では「Order, Order 静粛に」という掛け声が書記官によってなされてから真っ白なかつらを被った裁判長が着席しましたが。
裁判長は黙秘権の説明をし、続いて、人定質問をして名前、生年月日、職業、本籍、現住所などを確認しました。
僕は裁判が進むにつれてある種の違和感を覚えました。それは、被告人は当然がら姓名などを明らかにしますが裁判長をはじめ検察官も弁護士も姓名を明らかにしないことでした。
今日の裁判長は50才半ばくらいの細面で時折笑みを浮かべる柔和な感じのする人でした。検察官は礼服のような黒のスーツを着ていました。見るからに駆け出しと思える若い女性で、僕には聞き取りにくい声の持ち主でした。ときどき、ああ、僕は耳が遠くなったのかなとさえ思いました。傍聴席には経験豊かそうな男性検察官がいて女性検察官の仕事ぶりを見守っている風でした。弁護士は開廷ギリギリに駆け足で到着し、ダウンコートを脱ぎあわただしく着席しました。40歳くらいの小柄な大変よく通る声の持ち主でした。
検察官は裁判長に促されて罪状を読み上げました。「xxxxは平成25年xx月xx日xx時ころ、すすき野のxx丁目付近で・・・男3人に声を掛けて・・」「過去において同様の罪状で3回捕まり、3回目は15万円の罰金刑を受けている」
<つづく>
写真は裁判所の通路に掲示されている注意書き。
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