僕の45年間-1592011/07/16 21:39

 僕はパットさんの指示に従って、ヘッドライトやクロームメッキのバンパーを外しました。しかし、左側のヘッドライトはネジが半ば錆びて腐っていましたので強引に取り外しました。その結果、元に戻すには細工をしなければならない状態でした。その後、前後の窓やドアのガラス部分にマスキングテープを貼り古新聞でペイントがかからないように下準備をしました。

 パットさんもオレンジ色のペイントの準備が終わりました。
 はじめに屋根からです。下塗りの茶色のペイントは見る見るうちにオレンジ色に塗り替えられてゆきました。次はボンネットと後部、そして、左右の側面です。
 パットさんは一気にスプレーをかけて、防塵マスクを外しました。少しクルマから離れて全体をみて言いました。「GOOD、GOOD」と。いかにもオンボロに見えていた僕のVWが大変身をしました。さっきまでの疲れきったようなくすんだグレーの、いかにも古臭いクルマが鮮やかなオレンジ色の新品の華やいだクルマのようになりました。
 「なるほど、これは面白いことになりそうだ」という予感を僕は感じて始めていました。

 十分に乾燥をしてからマスキングを外しました。そして、ヘッドライトを取り付けました。左側のは細工をしなければならなかったので明日にしました。
 僕はまだ明るい内に運転してフラットまで帰れると思っていたのでヘッドライトは気にしませんでした。パットさんも問題ないよ、と言ってくれました。

 僕は国際免許証を持っている日本人の友人に事前に頼んで、その日の夕方に仕事場に来てもらっていました。彼もピカピカのオレンジ色に変身したクルマを見て「これ何?」とびっくり仰天していました。

 早速、彼は助手席に、そして、僕は誇らし気に運転席に乗り込みました。エンジンは相変わらずボロンボロンという音をさせていました。
パットさんの第3の奥さんも自宅から出て来て大喜びでした。

 写真はキリヤードホテルの自室での夕食。惣菜をテイクアウトをして、バスタオルをテーブルクロスに用いて簡単な食事です。僕たちは美食家でもなく、普通の食事が好きです。2005年12月
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