僕の45年間-112010/01/01 14:18

僕の母は炊きたての熱いご飯に牛乳をかけて食べるのが好きでした。僕の記憶にあったのはその匂いでした。
船の朝食にコーンフレークスと一緒に出されていたのが湯気が立っているオートミールのポリッジ(粥)だったのです。
http://cookpad.com/recipe/490529
1960年代、中2年まで青森にいてその後、東京の下宿や自活をしていてオートミールなど知るよしもありませんでしたが匂いだけは記憶にあったのです。


西欧系の船客たちがどんな風に食べるのかを観察し、僕も試みてみました。お粥ほど水分はなくどろどろした感じの熱々のオートミールを小さめのどんぶりに取り分け、改めて牛乳と砂糖をかけて食べるのが普通のようでした。何人かは砂糖ではなく塩をかけていました。僕は甘党なので砂糖をかけてぐるぐるっと混ぜて食べてみました。これは僕の口に合って美味い、と思いました。以来、毎朝食べるようになりました。周りの食わず嫌いの日本人の人たちにも勧めましたが「お粥に牛乳と砂糖をかけて食うなんて考えられない!」と一笑に付されてしまいました。
後々、イギリスで生活をしているときに知ったのですがオートミールに塩をかけて食べるのはスッコトランド系でイギリス人の多くは砂糖党でした。また、当時のフランスではこれを食べる習慣はないと言うことも知りました。


オートミールに似た食べ物にイギリスの「ライスプディング」があります。
http://blog.goo.ne.jp/qpcorn/e/0e5f9d494d7ad735eefcae0ca9b44e28
イギリスでは一般的なデザートです。材料はオートミールではなくお米です。牛乳でお粥を作り、好みで砂糖やシナモンをふりかけて食べるのです。僕もこればかりはかなり抵抗がありました。しかし、レストランの調理場でアルバイトをしていて時々作らされるはめになり、味を知らないで調理するわけにも行かず、一口、調理長の作ったのを恐る恐るスプーンで口に入れてみました。シナモンの香りが口いっぱいに広がり「ご飯」とは全く別物の印象でした。
僕はこのライスプディングをも周りにいた日本人に進めましたがオートミールの時と同じで、頭から否定され誰も試みようとはしませんでした。先入観念とは恐ろしいものあることを学習した一件でした。


写真はままごとをする少女 カンボジア
Free Access Counter Templates