古い写真2013/05/22 00:21

 先日、東札幌地下鉄駅の近くの骨董屋で掲載の写真を購入しました。店頭の箱には十数枚の、出所は同じと思える古い写真が無造作に入っていました。
 
 表紙には「征露記念 伊藤愛次郎 札幌榎本写真館」と読み取れるのが書かれています。征露記念ということは「日露戦争」に出征するにあたって撮られた写真だろうと思います。Wikipediaには次のように記述されています。 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC7%E5%B8%AB%E5%9B%A3_(%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%BB%8D) 
 「第7師団(だいしちしだん)は大日本帝国陸軍の師団の一つ。北海道に置かれた常備師団として北辺の守りを担う重要師団であり、道民は畏敬の念を多分に含め、『北鎮部隊』と呼んでいた。」
 「1904年(明治37年)、日露戦争に出征し、旅順攻略戦・奉天会戦に参加する。1917年(大正6年)から2年間は満州に駐屯し、シベリア出兵に参加。1934年(昭和9年)と1936年(昭和11年)にも満州に派遣された。」

 このポートレイトは1904年に札幌の榎本写真館で撮影されたと想像できます。当時の第7師団は旭川にあったようですから、札幌出身の伊藤愛次郎は当地に赴任する前に地元札幌で撮り、家族に残して出征したのでないかと思います。

 突如として僕の目の前に登場する伊藤愛次郎という人物には妻や子供がいて、また、写真の年齢から推測して両親も健在であったと思えますから、それらの肉親にどんな言葉で別れを告げたのか、と僕は思いを巡らします。

 映画でもそのような場面はしばしば描かれます。しかし、この写真には映画のように前後関係は描かれていません。たった一枚の、多少の修正が加えられたであろう白黒写真は、多分、札幌の中心部にあった榎本という写真館で撮られ、その写場でマグネシウムがピカッと発光した1904年のあの時間と空気を2013年までの100年以上もの永きにわたって大事に保存してきたのです。白黒の静止写真は今日のカラーの動画のように多弁ではありません。しかし、何世代にもわたって「伊藤愛次郎という人はね、日露戦争に出征して・・」と家族の間で語り継がれてきたのです。

 突然、そして偶然に、2013年にこの写真が僕の手元にやって来たのには、もう一つの時間の流れがあったのかもしれません。4代目か5代目の伊藤家には、もしかしたらもう伊藤愛次郎を知る人がいなくなってしまったのかもしれません。

福島菊次郎氏91歳2013/05/22 23:53

 「玉撞き屋の千代さん」が亡くなって以来、同じように90歳代の福島次郎氏のことが気になっていました。(氏のことは僕の下記のサイトで書いたことがあります。)
http://tadashi.asablo.jp/blog/2012/12/02/6650012
 お元気で活動をしておられればと念じながらWEBで検索してみましたら、相変わらずの細身のようですがツイッターでお元気な写真と一緒に紹介がされていました。
 僕はほっとしました。ツイッターをお読みいただければいいのですが、少しだけ転載をしてみます。
http://www.facebook.com/Nipponnouso#!/Nipponnouso
☆4/20柳井上映会のレポート☆
4/20(土)に行われた福島菊次郎さんが暮らす山口・柳井市での『ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳』上映会の模様を皆様にご報告いたします。
■上映会レポート■
当日は雨足の強い中会場ほぼ埋め尽くす300人が集まり、その中には、地元柳井や山口県内の方々だけでなく、北海道(!)・東京・関西・九州など全国各地から、20名を超える菊次郎ファンの方々もいらっしゃいました。
映画「ニッポンの嘘」の本編も、菊次郎さん・長谷川監督・橋本プロデューサーによるトーク・ショーも、会場のみなさんが感動され、真剣かつ暖かく見つめられているという雰囲気は自然と伝わってきました。
菊次郎さんの最新写真集「証言と遺言」も含めて、多目に準備したつもりのそのほかの本もほぼ完売。「ニッポンの嘘」柳井上映会実行委員

3/9(土)は、DAYS JAPAN9周年記念イベントにお邪魔しました。
3/4(月)にDAYS JAPANから写真集『証言と遺言』が発売となり、福島菊次郎さんも登壇されトークを実施!
菊次郎さんは、写真集が自宅に届いた日は抱いて眠り、ちょっと華やいだ気持ちになったので、人生で四度目の散髪に行った、とお茶目に嬉しさを語り、会場からほのぼのと笑いが起こっていました。
(ちなみに1度目の散髪は御自身の結婚式、二度目は息子さんの結婚式、三度目は娘さんの結婚式、だそうです)
第二次大戦の敗戦後も「僕の戦争はまだ終わっていない」「時代が戦時中に逆行しているようで心配だ」とお話されていました。
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