巴里 4/11 ― 2013/04/12 05:34
今回のテーマはパリの地下鉄です。プラットフォームを芝居の舞台に見立てて、そこに登場する人物たちは役者です。1枚1枚の写真はなんのつながりもありませんが、3~40枚の作品で、そこに低通する何かを表現したいと思っています。とここまで書いて今さら「大丈夫か?」と自問自答をまだしています。
始まりは2005年の旅行です。60歳でした。まだ写真を再開したばかりで発表などと大それたことは全く頭にありませんでした。しかし、21歳の時にはフィルムを買うお金がなく、一度は諦めたパリですがその印象は強烈で、何らかのテーマで「パリを撮れるものなら撮ってみたい」という願望はありました。キヤノンの5Dが発売になり追い風になりました。
その年に帰国して写真の整理をしながら漠然としていた構想が少し明確になりました。2回目は2008年です。その時には地下鉄をテーマに撮りたいと意識をしていました。
今回が3度目で、1回目から数えると8年も経っています。また、21歳の時から数えると46年も経ってしまいました。
僕はもうじき68歳になります。もうそろそろパリの地下鉄に決着をつけなければと思って今回の旅行となりました。
1回目と2回目に撮りためたのを何度も何度も見直し、何が不足をしているのか、どのような要素が必要なのかを考え構想を練ってきました。
得てして「パリの地下鉄で撮った写真」になりがちなのですが、それを何とか普遍性のある「人生劇場」の舞台の写真に仕上げたいと思っているのです。そんなことを考えながら電車にひと駅乗っては降りることを繰り返し、ベンチに座っては乗客たちの動きを目で追ってチャンスを狙っています。
今日はすこし収穫がありました。もう少しで公募に応募できる作品にまとめることができるのではないかとかすかに思えるようになりました。
写真は地下鉄と鉄道の「オペラ」駅を結んでいる長い通路です。真っ赤に塗られた壁は見事です。大胆なデザインだと思いました。
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