アサヒカメラ1968年1月号-72013/01/09 21:59

  あまり脈略の無いことを書いていて「本題に戻ります」というのは可笑しいかもしれませんが、とりあえず戻ることにします。

 僕が啓発されたのは名取洋之助の「写真の読みかた(岩波新書、1963年)」です。名取は戦前に18歳でドイツに渡りました。成績が振るわず上級の学校への進学を失敗したのが原因のようです。さまざまな偶然が重なって氏は写真と係るようになりました。1930年代に帰国した際に「組写真」という表現方法を持ち帰りました。そして、後に「岩波写真文庫」の編集に携わります。

 僕は子供のころから父の書斎にあったA5くらいの小型本「岩波写真文庫」が大好きで繰り返し眺めていたので「写真の読みかた」に記述されていたことが分かりやすかったのかもしれません。

 福島菊次郎が「ピカドン ある原爆被災者の記録」で日本写真評論家賞特別賞を受賞したのが1960年です。「写真の読みかた(岩波新書)」が出版される3年前のことです。しかし、福島が上京後に「写真の読みかた」を読んだであろうことは想像できます。あるいはそれよりもずっとはやい時期に名取のことを知っていたかもしれません。

 十数年前に父が逝った時に書庫の整理をしました。その書棚の中には「岩波写真文庫」が何十冊も残っていました。今思えば、処分をしなければ良かったかなという思いが少しあります。

 「写真の読みかた」は僕の手元にはありません。何度も引越しをしている間に消えてしまったようです。しかし、古本は入手可能のようです。

 写真は「さっぽろ雪まつり」の雪像制作が始まった様子。いつものように、自衛隊さんの協力なくしては成り立たないまつりです。

コメント

_ nakky ― 2013/01/09 23:54

「写真の読み方」は手元にあります。
お貸ししますよ。
14日、持って行きますね。

_ 大坂忠 ― 2013/01/10 10:54

今朝、自分の書棚の片隅に真新しいのを見つけました。
再購入をしていたんですね。こんな経験・・何度目になるかと・・。あと10年、自信がなくなりました(笑)
お気持ちありがとうございます。

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