そんなバカな2014/12/24 23:28

 僕は電話口で「腹が立ちますね」と言いました。電話の向こうからも同様に「そうなのよ。私も腹が立って」と。
 僕は考えれば考えるほど腹が立ってきました。何故、と問うても無論答えはかえってこないのですが、無性に腹が立ち、憤りさえ感じました。

 東京への小旅行を終えて帰宅し、拙宅のあるマンションの郵便受けを妻が開けました。妻の第一声は「これ何!」でした。
 東京のK君が今年の1月に亡くなり、新年の挨拶を控えます、ということが書かれてありました。差出人はK君の奥さんでした。

 今回は夏に予定している新宿での個展の挨拶を兼ねての東京行きでした。K君に限らず何人かの学生時代からの友人に連絡をしようかどうかと迷った末、時間に余裕がないなと思い、夏には皆と会えるからと思いながら帰宅したのでした。
 
 K君に何があったのだろうと想像をしてみました。彼は仕事を辞めて以来、毎日自転車に乗って近隣を走っていると、3年前に会った時に話していました。自由気ままに走ってもGPSの小道具があるから間違いなく家にたどり着くよ、と楽しそうに説明をしてくれたのです。そのことがあって、僕は「交通事故」だと思ったのでした。
 その夜は時間が遅いこともあり電話を差し控えました。

 翌朝、恐る恐る電話をしました。「何があったのですか」と問う前に「末期の食道がんで亡くなりました」というのでした。

 僕はもう一度電話口で言いました。「腹が立ちますね!」と。電話の向こう側からも同じように「私も腹が立って」と。

 K君、僕は君ともっと話したかった。

(これは12月15日の出来事です。K君、僕はまだ腹が立っています!)


(写真は今日の自宅近くで。一日中荒れ模様でした)

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