汚物の始末2013/08/06 21:36

  被災地域を車で走っていてやはり気になることの一つは放射能によって汚染された残骸物の処置が全く進んでいないことでした。個人の家の庭の表土を取り除いて除染をしてもその汚染された土を保管するところが決まっていないので同じ庭の片隅に置かれています。それが大規模な学校のグラウンドであったり、工場の敷地であったり、これから始まろうとしている田んぼの場合も同じように保管場所が確保されていません。

 黒い大きな樹脂の袋に入れられて積み上げられているのが方々に見られました。言い換えるなら、家庭で出る生ごみを適当に処置せず、生活している家の中に保管しているようなものです。
 
 放射能で汚染された物質には匂いがありません。匂いもせず、目にも見えずの放射能で汚染されたのが、現段階の計画では中間貯蔵施設に搬入され、30年間保存されるということです。最終処分が何年先になるかも、どのような方法で対処するのかも見当がついていないのです。誰がそのような生ごみに囲まれて生活をしたいと思うのでしょうか。

 TVでときどき「ゴミ屋敷」のことが報道されます。ゴミ屋敷のゴミは放射能で汚染されているわけではありませんが地域住民にとって大きな問題です。その何百倍も何千倍もの規模のゴミ屋敷を被ばくした地域住民は抱え込んでしまったのです。
 我々は原発そのものがゴミ屋敷であることを認識し、その問題は特定の地域のことではなく日本全体、あるいは世界全体のことであることを知るべきだと、被災地を見てつくづく思いました。

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