[恥を知るべし 北海道大学教授 山口 二郎]2013/08/26 22:49

  FaceBookに掲載されていた東京新聞・25日付・朝刊「本音のコラム」を転載させて頂きます。不都合があるようでしたらご連絡をいただけば幸いです。
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 ここで語られているルース・ベネディクトの著書「菊と刀」は大変よく知られている本です。まだの方はこの機会にぜひどうぞ。
原題:The Chrysanthemum and the Sword: Patterns of Japanese Culture 
邦題:『菊と刀――日本文化の型』1948年

 東京電力の原発事故に係る記者会見をTVで観ていて、僕は思いました。大きな声で「恥を知れ!」と叫びたくなるのですが、それは効果が期待できないと。なぜなら「恥」は身内の人々、つまり東電の人々に対してだけの感情であり、国民や世界の人々に対しての「恥」ではありませんから。
 また、日本は「和」を尊重するとも言われていますが、この「和」も身内だけのことです。「真理」をないがしろにして「和」を求めると、身内にとってだけ都合の良い「なあ、なあ主義」となります。

 東電の対応を見ていると約70年前にルース・ベネディクトが、日本の土を一度も踏まずに考察し、書き著した「菊と刀」を見事に具現化してくれているような気さえします。
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