ある国の、漁業の盛んな街でのある会話2010/09/27 00:24

<新聞やテレビで有名になったある船長の帰宅>
船長「母ちゃん、帰ってきたよ。だけどね、今回は土産はなしだ。」
母ちゃん「ああ、お帰り。日本の米は美味しかったかい?」
船長「そりゃ、何ていっても日本の米だ。農薬の心配も無しで、腹いっぱい食った。」
母ちゃん「そりゃ良かった。」
船長「何とかすきを見て、炊飯器と米(注1)を土産に買おうと思ったんだけれど、出来なかったよ。」
母ちゃん「看守に握らせてもだめだった?」
船長「今回の看守は堅物だったからな。」

<数時間後>
警察官「船長いるか?」
船長「おお、こっちだ。どうした?」
警察官「署長がお前をしょっぴいて来いっていうから。」
船長「何でだ?俺は英雄だぞ、分かってんのか!テレビでも新聞でも、見たろ。俺を。」
警察官「ま、いいからチョッと署まで来てくれ。」

<警察署で>
署長「お前を逮捕する。」
船長「なに~!俺は何も悪いことしていねぇヨ!」
署長「日本で何があったかベラベラしゃべられると困ると、上の者がいうからしょうがねえ。逮捕だ。」
船長「そんな馬鹿なことってあるか。俺は英雄だ!」
署長「お前は労働教養施設(注1)送りだ!」
船長「そんな馬鹿な!弁護士を呼べヨ!裁判もしないのか?」

船長は母ちゃんにさよならも言えず、即、バスに押し込められて労働教養施設送りとなった。

注1:中国からの多くの観光客が土産に購入する物の一つ。
注2:朝日新聞朝刊(2010年9月24日)によると、中国には正規の裁判所での審理を必要としない、警察が単独で判断できる「労働教養制度」というのがあって、最長4年間、一般市民を勾留できるそうである。記事には実際にそれを経験した人たちの談話が掲載されている。通常の国家では常識であるはずの「逮捕―弁護士付きで裁判―判決」という司法制度以外に、警察にとって都合の良い国民の教養を高めてくれる施設があるようだ。

何故か、ロシアの小説家ソルジェニーツィンの処女作「イワン・デニーソビチの一日」を思い出し、ぞっとしました。
読書家であった父が珍しく薦めてくれた本でしたので記憶が鮮明です。

南川泰三氏の「混線電話の重大会話 」
http://taizonikki.exblog.jp/13295733/
に触発されて書きました。
この会話は僕の妄想以外の何ものでもありません。念のため。

コメント

_ nakky ― 2010/09/27 08:57

人間同士でも生まれ育った環境が全然違うヒト、基本的なモノの考え方が全然違うヒト、価値観が全然違うヒトと
お付き合いするのって難しいですもんねぇ・・・

それが国同士となると・・・もう全く・・・

_ 大坂忠 ― 2010/09/27 15:06

nakkyさん
いつも書き込みをしてくださりありがとうございます。

僕もnakkyさんのブログを楽しませていただいています。
>「これ、いいと思いません?」
には笑っちゃいました。
http://www.asahi.com/business/update/0927/TKY201009270050.html

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