診察 5 空腹の試練 ― 2016/05/24 21:24
そして、僕は今回ほど、健康でなければこの三大欲求を成就させることはできないと思ったことはありません。中でも食欲について痛切に感じています。これを書いているたった今も感じています。
僕はこれまでに大きな手術を2回経験しています。58歳の時の腎臓ガンと今年の1月に受けた後縦靭帯骨化症です。幸いどれも後遺症のようなものはなくありがたいと思っています。しかし、術後の痛みは投薬で軽減さるとはいえ普通ではありませんでした。そして、当然ながら1~2日は食事を摂ることはできません。
そのような状況下にあっても、僕は痛みが少しでも軽くなると空腹を覚えました。つまり、何かを食べたいという食欲の台頭は間違いなくありました。妻はそんな僕に「こんな状態でも食欲があるの。あきれた」と言いながら僕の口に氷のかけらを含ませてくれました。
さて、この偉大なる僕の食に対する欲求なのですが、今回はその勢いはありません。先にも書きましたが、医師から絶食の宣告を受けたときには苦しい嫌な体験になることを覚悟しました。当初の絶食期間の見込みは3~4日、2回目の予想では1週間くらいということでした。しかし、不思議と楽勝でした。炎症が続いている間は生物の偉大なる欲求すら機能しなくなるということを経験したのです。
昨日は9時ころに採血がありました。医師は「多分、問題はないと思いますから、昼食には多少のごはんを食べてもらえます」というお達しでした。僕の期待感は急上昇し、いきなりおなかがグ~と鳴りました。
11時ころに医師がA4の紙を手にして僕の病室に来て「残念です。この数字が下がっていないので、今日は食事を出せません。いや~、申し訳ない」と。
11時15分頃、担当看護師は「良かったですね。先生から栄養士さん宛てに大坂さんの食事の注文が出されていますと」と、移動用のノートパソコンを見ながら教えてくれました。
で、僕は「え?」
ここではすべての指示や発注はネットを介してなされているようなのですが、多少の時差は発生するようです。
12時になって食事の介助者が大変うれしそうに僕の病室に入ってきました。「お待ちどう
さま~。お食事ですよう~」と。手にはおいしそうな食事のお盆が。
賢い僕はすぐに分かりました。医師は僕の快復に自信があって、数値が出る前に食事を見込み発注したのだと。
以来、僕の空腹感は最悪です。
明日早朝6時ころには採血があるようです。
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