翻訳の仕事2014/11/07 00:08

 翻訳原稿の手直しやら依頼者からの質問に応えるという作業をやり終えたのは昨日が今日になった時間でした。

 僕が手掛ける翻訳のほとんどはいわゆる学術論文の類です。それ以外の依頼は、何故か舞い込んできません。

 翻訳の仕事を初めてもう35年になります。当時は原稿が手紙で送られてきました。翻訳原稿はタイプライターで打ちました。僕の苦手な作業でしたから僕の手書きの文字を職員に打ってもらいました。厳密な納期を確定することは必要もなく、のんびりと、仕上がり次第に送るという仕事ぶりでした。
 その後に出現したのがファクシミリという、今では一般的になった方法です。この時期には納期が短くなり厳密になってきました。何しろ、依頼者は自分のファクシミリの機械の前でじっと僕からの翻訳原稿を待っていましたから。
 それが、今では電子メールの時代です。瞬時に原稿のやり取りができます。納期はより厳密になり、場合によっては時間までも決められることがあります。

 しかし、今も昔も変わらないのは、基本的に僕は声を聴いたり、お目にかかることはないということです。
 翻訳の仕事はすべてが電子メールのやり取りだけでなされます。10年も20年もベテルを利用してくれている研究者の方々もいますが、電子メールに書かれている言葉だけが、僕にとっての「実体」なのです。

 原稿を読みながら依頼者のお顔を思い浮かべることはできません。もっとも時折、その方のWEBを開く必要があって顔写真を見ることはありますがまれなことです。

 時代の変遷とともに仕事のやり方も変わってきています。あらゆる分野でコンピュータが使われ、効率はアナログ時代の何十倍にもなり、便利にもなりました。

 僕は運が良ければこれから10年くらいの間は時代の変化を目撃できるかもしれません。もしかしたらSF作家もびっくりという社会になるかもしれません。

 残り時間を数える年齢になって、少し、支離滅裂な文章になりました。
 
 写真は今日散歩をしたモエレ沼公園の白樺林です。たまにはモノクロ写真もいいのではないかと思っています。

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