僕の45年間-1392011/06/15 23:49

 パリから戻り、またゴーン、キーンという騒音と油まみれの旋盤との戦いが始まりました。しかし、気分は上々でした。
 やはり僕のイギリスでの最大の目的は英語を何とかする、でしたから非英語圏のパリでの経験は大きな自信となりました。おかしなもので自信を持って英語に接すると、突然、格段の上達をしたような気がするのです。 自信がないときには、何事も同じかもしれませんが気が散漫になり物事に上手に集中が出来なく、いい結果を生まないのだろうと思います。

 英語の学校には授業料が払えず通っていませんでした。そこで、僕は自習をしっかりとすることを自分に言い聞かせていました。英語学校で使っていた教科書を使っての自習もなぜかパリから帰ってきて以来、魔法がかかったように順調に分かるようになりました。

 先回書いたように、英語圏では当然ながら無限と思えるほどの単語数や、文法も初心者向けの配慮など全くなく、そのような英語の海で溺れないように懸命に泳がなければなりません。特に英国ではどんな英語を話すかがその人の知的レベルや育ちの判定の一番大事な道具なのです。
 僕がどんな人間に見られようとどうでも良かったのですが、しかし、「◎◎さんはどんな人なの」という会話で、人物評価に頻繁に使われる表現は「He/She speaks good English.」という表現です。そのことがその人の全人格を表現しているわけで、正しく美しい英語を話すことは全ての面で得なことなのです。
 日本語の社会では「あの人はいい日本語を話す人です」という表現は無いだろうと思います。

 「You speak good English.」と面と向かって云われるのは、言い換えれば「あなたは外国人だけれど言っていることは分かります」という程度の意味しかありません。しかし、僕にとってはそう言われるようになるまでも大仕事でした。

 その旋盤工場での仕事は一年くらい続いたように思います。やはり町工場ですから仕事の受注量は不安定なようでした。

 写真はエッフェルタワーの足元。2005年12月

コメント

_ nakky ― 2011/06/16 10:15

>日本語の社会では「あの人はいい日本語を話す人です」という表現は無いだろう

あ・・・どうでしょう?
「あのヒトは言葉遣いが丁寧だ」とか
「あのヒトの喋り方は粗野だ」とか、そういうので
ヒトの育ちとか教養をはかる一助にすることも
あるのではないか?と思われます。

_ 戸田勝男 ― 2011/06/16 20:19

大坂さんおめでとうございます。大学からの夢写真家大坂忠の誕生ですねパリ行きもその為だったとか、ぜひ会いたいです。

_ 大坂忠 ― 2011/06/16 23:06

nakkyさん
ご指摘はその通りですね。
気になるのは「丁寧」や「粗野」は身分の何らかの上下関係での判断が働くことが多いかな、という点です。
英語にも上下関係が反映されることがありますが、まあ、日本語ほどではないように思っています。

_ 大坂忠 ― 2011/06/16 23:09

戸田さん
書き込みをありがとうございます。
僕は23,24日と25日は2時頃まで会場にいます。
楽しみにしています!
次回、メールアドレスを書いてください。公開はされませんので大丈夫です。僕だけが見ることが出来ます。

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