西窪愛子写真展―22011/11/25 23:45

 昨日から東京の展に引き続き札幌での展が始まりました。
始めてお目に掛かったのが2009年の同じ時期でしたから2年ぶりということになります。幸いに西窪さんにお会いすることが出来、お話を聞かせていただきました。
 14点の作品が展示されていました。非常に柔らかいモノクロの諧調で、絵画か版画のようにも見えるのですがまぎれもなく写真です。一瞬、写真展というよりは西窪愛子展とした方がいいのかなとさえ思いました。しかし、やはり写真展なのです。
 パリの街で撮られた自転車やエッフェル塔、古めかしいドア、鉄のフェンスなどが一見、自己主張をしているようですが緩やかな諧調と共に浮遊しているように感じさせます。得てしてシャッターを押せば何でも写し取ってしまう写真という表現手段を用いながらも、余分なものをそぎ落とし、単純化しながら作者の意図を表現し、それと同時に見る人は不鮮明な、しかし豊かな諧調の空間での想像にいざなわれる作品だと思いました。
 作品は油彩で使われるキャンヴァスとコットン紙の両方を使って暗室作業でプリントをしたものです。コットン紙は既製品をお使いになったと言うことですが、キャンヴァス地の方は、ご自分で写真乳剤を刷毛やスポンジで塗る手法を用いています。そのことによって写真乳剤が均一に塗布された印画紙とは全く異なった雰囲気のプリントが創造されています。
 僕はその技法を始めて知りました。デジタルプリントは同じものを何枚でも創ることが出来ます。しかし、この手法ですとそれは不可能で、それぞれが一点ものの作品となります。

 WEBで調べてみましたら「富士黒白写真乳剤」という製品が販売されていました。また、「自作印画紙」で検索をして見ましたら、僕が知らない写真の表現の世界がありました。

 写真は2011年11月24日の朝日新聞の札幌版夕刊です。
Free Access Counter Templates