僕の45年間ー732011/02/02 23:29

 ユースホステルに寝泊りをするようになって3週間くらいがたったころでした。朝食を終えて自分の部屋に戻り日米英会話の本を開いていたときでした。こけしさんが部屋に来て「大坂君、アルバイトはまだなんでしょ。ここでアルバイトを募集しているよ」と教えてくれました。「早い者勝ちだよ!」というのです。僕はベッドからガバっと起き上がって「本当!」と言いながら階段を脱兎のごとく駆け下りて事務所に行きました。
 いつも受付に居る縮れ毛のお兄さんが募集の紙をセロテープで貼っていました。「Help Wanted従業員募集」と書かれていました。僕の後からこけしさんも付いてきてくれ、「これよ、やる?」というので僕は「やりたい!」と叫んでしまいました。
 縮れ毛のお兄さんが募集の紙を貼り終わる前に「OK」といって貼るのを止めました。それは日曜日でこけしさんがキッチンの手助けをしているときに募集が決まったらしく、いの一番に僕に知らせてくれたのでした。
 縮れ毛のお兄さんの後について事務所の奥にこけしさんと一緒に行き、名前を確認して、仕事の内容と賃金のことを聞きました。細かいことはこけしさんが通訳をしながら説明をしてくれました。
 朝、昼、晩の食後の皿洗いとキッチンの清掃が主な仕事でその他の時間は好きに使ってよいということと、週給が50クローネで宿泊費と3食が無料という条件でした。僕は小躍りしたくなるような気分でした。縮れ毛のお兄さんには無論ですがこけしさんに何度もお礼を言いました。
僕はこれ以上これで手持ちの資金を減らすことなく、給料までもらえるという、夢みたいなことになり興奮しました。50クローネは記憶が正しければ当時は2500円だったと思います。
 
 仕事はその日の昼食からということになり、前払いしていた宿泊費は返金してくれました。僕はバンザーイと叫びたくなりました。こけしさんも一緒に喜んでくれました。ロビーに出てこけしさんと一緒にコーラを飲みながら乾杯をしました。

 写真はパリ北駅付近のパン屋さん。2005年12月
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