癌の定期検診 ― 2010/10/20 00:43
僕が腎癌で左側の腎臓の全摘出手術を受けて以来、丸々7年が経ちました。当時はたいした知識もなく無知でしたから全幅、担当医師を信頼し、総ステンレス張りの手術場でピカピカ光る天井を眺めて、少し寒いなと思いながら、僕のもっとも嫌いな脊髄に打たれる最初の麻酔の痛さを想像していました。不思議と恐怖心はありませんでした。術後の抗がん剤治療や、ましてや死については能天気でした。
そんなことがあってから早くも7年が過ぎ去りました。つまり、今日、僕は7年目の定期健診を受けたのです。主に肺に転移がしていないかというレントゲンと血液の検査です。予約どおりに昼12時には採血を終えました。僕は血管が見つからない体質なで毎回毎回、採血の技師に苦労をかけます。今回に限ればブシュっと3回採血の針が入れられて、ようやくことの無きを得ることが出来ました。過去には5回も6回も針をさされて、ということもありました。
検査技師に聞くと手間をかけるのは僕だけではなく結構な人数がいるようでした。ならば、と僕は思うのです。「血管探査機」を発明して、ノーベル賞受賞の鈴木博士のように特許を取らず、などではなくしっかり特許を取って一儲けをしたいと。
さあ、それからの待ち時間の長いことには十分な準備が必要です。僕は朝刊と週刊誌を家で用意して、鞄に入れてきました。隅から隅まで読んでもまだお呼び出しがかかりませんでした。
僕の予約は1時。1時半ごろになって、もうそろそろかなと。しかし、呼び出される名前は他人のばかりでした。じりじりと待たされ、肝心の肺への癌の転移はあるのかないのかを知らされるまで3時間も待ったのです。医師の言葉は「きれいな肺です。何の心配もありません。」という数秒で終ってしまいました。僕も妻もヒナヒナっとその場に崩れそうな気分になります。
もし、検査結果が悪かったら3時間の待ち時間、10分の診療時間に、僕は大きな声を出していたかもしれません。
願わくば一生涯、3時間待とうが4時間待とうが、そして結果を聞くのにたとえ10分であてっも、無罪放免でありたいと思っています。
写真は病院から出て空を見たら。秋がふかっまていますね。(iPad)
映画「セラフィーヌの庭」 ― 2010/10/20 23:07
http://www.alcine-terran.com/seraphine/
映画を観ながら僕は、大昔ヨーロッパ行きの船「カンボジア号」で一緒だった村上肥出夫画伯のことを考えていました。
http://tadashi.asablo.jp/blog/2010/07/26/5248803
http://www.bijutu.net/H_Murakami/Murakami%20Hideo.html
時代も国も異なりますが二人の画家の人生が重なってみえました。間接的に耳にしている村上さんの様子は映画のセラフィーヌとあまりにも同じなのです。
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