実に貧しい国2021/03/08 13:58

 僕はこれまで何度か「死ぬかもしれない」と思ったことがあります。
 一回目は、厳寒の2月のパリででした。安宿で風邪をこじらせて寝込んだ時です。高熱と下痢に苦しめられました。1週間、暖房の効かない、食料品もない3畳間くらいの部屋で、これでおしまいかと思いました。21歳でした。
 2回目、3回目は大きな病気をしての入院中にでした。「もうだめか」と思いながら懸命に眠気をこらえて、恐怖心と闘いました。

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 おこがましいと思いながらも、孤独死とはどんなものか、その悔しさを想像してみます。

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 614人、実際はその何倍もの人々だとろうと思うのですが、たった独りで、何時間も何日もを過ごしたのです。

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 僕には、実に貧しい国だなとしか思えないのです。
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