南川泰三氏と再会 ― 2011/08/28 21:41
南川氏と会うのは僕がヨーロッパへ出発したとき以来で、40数年ぶりです。大勢の観劇客でごった返す大きなホールで互いに分かるかどうか危ぶまれましたが何とか会うことが出来ました。互いに学生時代の細っそりとした形跡はありませんでしたが。
幕間の休憩時間には千代さんにも紹介されました。地元大阪での公演でしたから大勢の千代さんファンや保名倶楽部(やすなクラブ)のお客さんたちが会場に駆けつけていてロビーは大混雑を呈していました。
芝居は千代さんを浜木綿子が熱演した、上質の芝居でした。
芝居がはねた後、家族と数人の保名倶楽部のお客さんたちが会食をする席に招かれました。南川氏とは40数年ぶり、他の人々とは初対面でした。家族の人たちについては「玉撞き屋の千代さん 集英社文庫刊」を何度も繰り返して読んでいましたからおおよその見当がつきました。
食事が終わってからお店の保名倶楽部へ行こうと誘われました。千代さんには「コーヒー飲みに来てェや」と声を掛けていただきました。
お店は、小説に書かれている通りの昭和初期の洋館そのものでした。時計が止まった錯覚さえ覚えました。
4台の玉撞き台と壁に沿ってたくさんの椅子が並べられていました。また、玉を突くキューも壁のケースに整然と並べられていて、重厚な、歴史ある玉撞き屋「保名倶楽部」の雰囲気を造っていました。細い仲通に面して左右にそれぞれ入り口があり、千代さんのお気に入りの茶色のソファーは両方のドアが見える奥まった角にありました。
僕はお店全体が見える片隅の椅子に腰を掛けて、千代さんがソファーに座り、家族や常連客の人たちと談笑するのをしばらく眺めました。千代さんはコーヒーカップを持ち、タバコの煙をゆっくりと吐き出し、笑みを絶やすことなく、皆との談笑を心から楽しんでいる風でした。
写真は初対面で撮らせて頂いた千代さん。2008年6月

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