写真集 人間とは何か? ― 2009/05/18 21:26
日本での写真展は1965年8月、東京銀座の松屋百貨店で行われました。僕が丁度二十歳のときでした。この写真展を見てから、前年から取り組んでいた「下北半島」の撮影に出かけた記憶があります。
The Family of Manは写真集でしか見ていないのですがこれは実際のプリントを当時見、そして今は写真集を繰り返し見ています。The Family of Manと同じく僕の写真への思いを強めた本です。
「人間とは何か」という題はある意味、大変青臭いような感じがします。世界中の表現者はさまざまな方法でこの哲学的、しかし、日常的な命題に取り組んでいるのだろうと思います。このように極めて率直な題を付ける表現者はあまりいないかもしれません。まっすぐ正面からというのは僕の性には合っています。
1960年台は、ドイツで写真を勉強した報道写真家名取洋之助や前述の土門拳などが写真の芸術性とは、などという議論を盛んにしていたころです。そんな中でのこの「人間とは何か?」は一個人の写真集ではなく、264名の、さまざまな機会に撮った写真がひとつの命題のために編集されるという画期的な事業でした。その写真そのものが時代を記録し、後世に残されるという意味において、誰々の作品であるということよりも大事であるという、The Family of Manに続いての提案であったのかなと思います。
毎日新聞の切抜きをも掲示して見ます。願わくば記事をお読みくださることを願います。44年前に書かれた記事です。
合わせて、この本の目次「人間についての42章」の写しを載せておきます。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://tadashi.asablo.jp/blog/2009/05/18/4311624/tb

コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。