最終日 ― 2017/03/12 09:32
今回も多くの人々との出会いがありました。会場では、遠目にあの人は昨年も来ていただいたとか、この人はポートレイトを撮らせていただいたなとか、いろいろな人とお目に掛かります。
ポートレイトの撮影は毎日10名くらいの希望者がいます。無背景のご自分の写真は写真館に出向けば撮ってもらえるのでしょうがそこまでの強い願望は多くの人は持っていないようです。そこに僕の出番があるのです。
特段、スタジオを設置することはしません。館内の無背景のところを選んで撮影をします。
ポートレイトはご自分と正面から向き合うという時間とか機会を提供してくれます。
その意味で毎年一人二人の人が、写真を手に取った瞬間に涙を流します。5年前にこの企画を始めたころは僕自身がうろたえました。
先日お撮りした女性は、じ~っと写真を観ていておっしゃいました。「私はこれで自分と向き合える」とぽつりとおっしゃいました。
僕はポートレイトを差し上げるときにお伝えしています。「額に入れて飾ってください。そして、毎朝、今日も元気で過ごしましょう」と自分自身に語り掛けてください」と。
札幌市資料館はたいへん静かです。大通り公園の西の端っこに位置しています。BGMは一切流れていません。聞こえるのは来場者がカーペットの上を歩く音だけです。時折、来場者が途絶えることがあります。そんな時は、僕は自分の写真に囲まれて、写真と対峙することになります。
写真は洋館の窓からその庭を撮ってみました。
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