村上肥出夫ー62016/03/28 11:03

 村上肥出夫さんに会った人は、氏のことをず~っと忘れないのでは、と僕は思います。
 僕自身が1967年12月に横浜からフランスのマルセイユへ向けて出航したカンボジア号でお会いし、その後数回、パリの地下鉄のアベス駅(Abbesses)近くの安ホテルでお会いしました。最後は多分1969年か1970年です。それ以来、45~6年はお会いしていないのですが・・・。

 僕は折に触れて村上肥出夫さんの目の表情を思い出します。大きな目ではありません。どちらかと言えば小さく、しかし、往々にして村上さんの発する言葉よりは多弁な、相手の心のもっと奥の方を見ているような、それでいて暖かな印象を、僕は覚えています。
 この画集を私家本として監修されてお出しになった池田章さんという詩人も、もしかしたら村上さんの鋭く、しかし、暖かな目に降参されたのかなと想像しています。

 画集の冒頭には下記の方々の、当時の文章が掲載されています。僕は絵画の知識は全くありませんが、読み応えがあります。

〇彫刻家 本郷新「銀座裏の出会いー画家・村上肥出夫君のこと」
〇美術評論家 今泉篤男「村上肥出夫の個展」
〇画家 林武「描こうとするものから・・・」
〇作家 川端康成「村上肥出夫 油絵展」によせて
〇作家 石川達三「魂の放浪者 村上君の個展によせて」
〇作家 「村上さんのこと」 


 巻末に、とはいっても180ページから233ページまでの多くのページが費やされていますが、素晴らしい文章が掲載されています。

〇展覧会プロヂューサー 水原園博「川端康成と村上肥出夫」
〇岐阜県立美術館学芸員 廣江泰孝「時代に愛された画家 村上肥出夫群馬大学教育学部准教授 春原史寛「1963年の村上肥出夫の登場を人々はどのように見ていたのか」
〇鉛筆画家 安住孝史「親友の巴里への旅立ちまで」
〇詩人 池田章「愛すべき天才画家 村上肥出夫」


 展は今月31日(木)まで。期間中は無休ということです。画集は会場で頒布されています。是非、手に取ってご覧になってください。3780円です。

兜屋画廊
住所: 〒104-0061 東京都中央区銀座8丁目8−17
電話:03-3571-6331
http://www.gallery-kabutoya.com/

 画集「愛すべき天才 画家村上肥出夫画集」(3780円。問い合わせは、池田さん(090-2258-2205)へ。


 なお、今年の4月10日から5月29日まで、長野県東御市にある梅野記念絵画館・ふれあい館で展覧会が開かれるそうです。
http://www.umenokinen.com/index.html

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