展の初日 2015.7.1 ― 2015/07/01 20:08
ギャラリーは写真と額縁がかもし出す華やかな雰囲気に包まれています。これまで僕自身がやった展も含めて、写真展はどちらかというと作品との対話なり対峙が求められて、心静かに鑑賞をする雰囲気が勝っているのですが、今回のは違います。しかめっ面で観る人は少なく、皆さんはゆっくりリラックスし、写真を、会場全体の雰囲気を楽しんでおられるように思いました。
「なるほど、『幕あい』ですね。パリの人々の何の気取りもない、厚化粧もしていない、素の自分自身でいる瞬間をパチリですね。写真を観ている者もここのメトロのプラットホームに立っているような、自分もパリの生活者のような気分にさせられますね。つまり、人生の『幕あい』ですね。ありますよね。こういう瞬間が」
今日の会場の音楽はZAZでした。日替わりでいろいろかけてみようと思っています。
展2日目 ― 2015/07/02 12:32
展2日目ー2 ― 2015/07/02 20:40
帰り際に来館者数を聞こうと思っていて忘れてしまいました。
僕にとっては大変中身の濃い一日でした。数人のいわゆるプロの写真家さんたちのお話を聞くのは大変刺激的でした。展をやるたびに勉強をさせてもらいます。
「大坂さん、いいね。視点がいい。パリの写真は山ほどあるから難しい。しかし、メトロに絞ったのは見事」
「登場人物が何かを語りかけているようで、そうでもない。かといって無視できない。面白い」
「古い写真はいつごろのですか。そうでしょうね。当然、デジタルカメラの感度が今ほどじゃないころですよね。データー処理に苦労が見えますね。ところで、何というソフトで仕事をやっていますか。ああ、エレメントね。少し奮発して『ライトルーム』をお使いになったらいいと思いますよ」
この方は30歳半ばの方でした。曰く、「さっきいきなり連絡が入ってイスタンブールへ行けっていわれてさ。あわてて機材の修理に来たところですよ。そしたら面白そうなのをやっているんじゃないですか。来てよかった。少し、得したな」といいながらご自分のバッグからマックのノートPCを取り出しました。そして「ライトルームをお見せしますよ」といいながらその操作の簡便さ、仕上がりの良さをデモンストレーションし始めました。
「でね、大坂さんのあの作品ね、展で見せるにはあれでいいと思うんですよ。でも、印刷物のことを考えたらもうちょっと処理のやり方があるかもしれませんよ」といいながらご自分の写真をサンプルに使って最終処理の手順を示してくれました。
そのことひとつをとっても僕にとっては大収穫でした。
閑話休題
「30年前のことをいろいろ思い出しています。パリはやはり永遠ですね」と言って、深々とお辞儀をされてお帰りになった方がいました。僕はその方の後姿を見送りながら、何故か涙が出てきました。
「幕あい=パリのメトロ」
http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/community/squareshinjuku/schedule/
展3日目 ― 2015/07/03 22:38
一日が終わって、今日はどんな人にお会いし、どんなお話をしたか振り返ります。天気が悪いにもかかわらず大勢のお客さんが来てくれるのでありがたいのですが、お話ができるのは数人にとどまるのが残念です。
僕が知りたいのは作品の印象です。しかし、多くの場合、お客さんが話したいことは別な事のようです。
今回の展の特徴のひとつに展示の仕方があります。カラー写真を中心に10点ほどのモノクロを混ぜています。額は赤、緑、濃いグレーの三種類です。写真サイズはA3ノビを中心に四つ切りワイドと六つ切りです。これだけでも通常の写真展とは異なります。
加えて、妻の手袋を額装をして飾りました。
しかし、これらのことについて感想をお話してくれる方はごく少数です。
僕は写真展で本物の手袋が額装されて展示されることの、ある意味「異常」なことに皆さんが何んらかの反応をしてくれるものと思っていましたが、はずれでした。
僕は、人の関心事というのは、本当に分からないものだと、改めて思っています。
展4日目 ― 2015/07/04 21:15
一日目は288名
二日目は225名
三日目は227名
さて、4日目の今日は・・明日の朝に数字が出ます。まあ、ギャラリーの担当者は目見当で300名は超えているでしょう、と話していましたが。
先回の展はどうだったかと思い自分のブログを見てみましたが入場者数は書かれていませんでした。
http://tadashi.asablo.jp/blog/2011/10/05/6134038
ペンタックスでの展は今回が3回目になります。メーカーギャラリーへの応募は2年おきというのが規則ですから、自分勝手に、パリの写真での応募は2013年と決めていました。
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しかし、当時の母の病状などがあってかないませんでした。そして、今年になりました。
先回も初日は雨だったようですが翌日には晴れています。今回のように雨が続くというのは・・僕は雨男かと思いたくなります(笑)
今日もたくさんの方がとお話をさせていただきました。いろいろな質問をいただきますが、共通している話題は「大坂さん、これは公募なんでしょ。自分も一度はこんな展をやってみたい。どうしたら合格しますか」です。
そいうことを話題にする方は、僕は当然のように職業写真家さんではないと思いながら、僕なりの経験をお話します。しかし、話の途中から何か変だなと思うことがあります。今日お話した3名の方は皆さんが職業写真家さんたちでした。僕はあわてます。専門家に生意気なことをしゃべったようで穴があったら入りたい気分になります。
僕は、職業写真家さんは、はじめからそのことをはっきりさせるべきではないかと思います(笑)
明日は日曜日です。
天気予報は・・・展の期間中はず~っと曇りか時々雨のようです。
大坂忠写真展 幕あい=パリのメトロ= 5日目 ― 2015/07/05 14:28
僕は今回の展に「写真をご自由にお撮り下さい」の掲示を出しました。撮った方がツイッターやフェイスブックで拡散をしてくれたら有難いと思ったからです。又、禁止をしても撮りたい人は隠れて撮りますから。
ギャラリーのS所長さんとその話をしたら「そうなんですよ。禁止してもあまりメリットは無と思います。それよりは宣伝をしてもらった方がいいと思いますよ。近頃のギャラリーでは、撮らせているケースが多いです」ということでした。
もっとも、先ほどの方は会場に入られて、一巡もせず、いきなりカメラをかざして自分のカメラを指さし、僕がどうぞという仕草をするや否や撮り始めました。
マア、さまざまだなあ、と思います。
大坂忠写真展 幕あい=パリのメトロ= ― 2015/07/06 17:56
昨日までは平均300名超のお客さんが来てくださいました。
コーマーシャルフォト40年という方に褒められました。マア、批判的な意見を聴くのは難しいことだと思いますが-…。
「メトロの写真の色使いはコーマーシャルフォトの世界ですヨ。整っていますね。スナップ写真だとは思えないくらいです。デジタルの処理がうまいんですね〜。額がそれを見事に盛り立てていますね。こっちの街撮りの写真は、作家さんの意図の通り、メトロを補って、パリだ〜〜と大きな声ではなく、静かに補佐している、という感じですかね。自分もパリは随分撮っているけれど、このようなパリは撮れていないな」
恐縮の極みでした。共感して、意図を汲んでくださる方がいると一気に元気が出ます。明日は一休みをして、明後日、又新鮮な気分でやるぞーです。
リコーイメージングのビルは新宿センタービルの半地下のようなフロアにあります。外光も少し射し込んできます。
周囲は摩天楼が林立しています。滞在期間中に地震が来ないことを願っています(笑)
大坂忠写真展 幕あい=パリのメトロ= ― 2015/07/07 15:19
大坂忠写真展 幕あい=パリのメトロ= ― 2015/07/07 20:44
いったんホテルに戻ってメールのチェックをして、再度、新宿歌舞伎町方面に。久しぶりの歌舞伎町散策です。その足でゴールデン街へ。用事も目的もないのですが、ふらふら、ブラブラと。
学生時代、お金のあるときに箱入りのオリエンタル印画紙を買いにこの近所を歩きました。そのときの印象は道路一本だけだったのですが、今日歩いてみて何本もの路地があることが分かりました。
営業時間には早すぎたらしく比較的静かでした。24時間営業のラーメン屋の店員が路上で休憩をしていたのでおしゃべりをしました。西新宿から自転車で通っているということ、ラーメンは「まあ、うまいっす。行列ができるラーメン屋でっす。830円です」ということでした。近頃は一見さんお断りの店は少なくなって気楽に入れますよと話していました。
「新宿ゴールデン街の人々」というテーマで写真を撮りたいなと思いながら霧雨の中、京王百貨店地下で夕食を仕入れ、ホテルに戻りました。
明日から展の後半が始まります。どんなお話を聞けるか、楽しみです。13日が最終日で、16:00までです。
大坂忠写真展 幕あい=パリのメトロ= ― 2015/07/08 14:47
今日は後半の初日です。相変わらず雨ですね。
リコーイメージングには2つのギャラリーがあります。僕は1を使わせていただいています。2では今日からペンタックスファミリー千葉支部の展が始まりました。ギャラリー2は1週間単位の展が多いようです。そんな事で、千葉支部関係者のお客さんがたくさん来ているので、ついでに僕の方もその賑わいのおすそ分けを頂戴しています。
お客さんの年齢は60歳代の方が圧倒的に多いように思います。時代を反映しているのかも知れません。その中で、19歳と20歳の美大の女子学生が見えました。写真クラブで活動しているということでした。僕が「下北半島」を撮ったときの年齢です。つい、「下北半島」の小冊子を披露してしまいました。
午前中の30歳くらいの男性のお客さんは入ってくるなり「カッコイイ‼️」とお声を出してくれました。「この写真と額縁-……、色使い、カッコイイスネ」と。モノクロ写真を丹念に見てくださいました。
芳名帳にお名前だけを書く方がいます。そういう方は、多くは写真家さんやその筋の、PENTAXでは名の通おった方のようです。つまり、僕の展に来たというよりは「おたくのギャラリーに顔をだしているヨ」くらいの犬のーーーに似ているのかと思っています。
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