僕の薬2013/11/15 20:05

 朝日新聞2013.11.15の朝刊に「医療費一人当たり30万円超」という記事が載っています。「ひとは年を重ねると、病気やけがをしやすくなる。11年度は、65歳未満だとひとりあたり、1年間の医療費は17万4800円にとどまるのに対し、65歳以上では4倍余りの72万900円。」と書かれています。
 僕は65歳以上ですから「72万900円」の範ちゅうになります。

 僕はもう2週間以上になりますが副鼻腔炎になり、治りが悪く、ひどい目にあっています。最初はいつもの鼻かぜかと思い売薬を飲みました。いつもなら数日して回復の兆しが見えるのですが今回はいつもと少し様子が違いました。意を決っしていつもお世話になっている内科へ。近頃はめったに経験しない聴診器をあてがわれ「ま、肺は大丈夫のようですね」と。内科医は「耳鼻科の方がいいんですが・・」といいながら5日分の薬を処方してくれました。これで治ると思いきやダメでした。で、今度は耳鼻科へ。処方してくれた薬の数は6種類でした。
 妻は僕が食後の薬を飲むのを見て「そんなに!」とびっくりしていました。僕の場合糖尿病の薬も飲んでいるので僕自身もその種類の多さにげんなりしています。朝食の後に飲むのが写真です。

 新聞記事の「65歳以上では4倍余りの72万900円。」というのは僕自身にも確かに心当たりがあるわけで、年齢と共に医療費の支出は増えています。先日は身体のどこかにガンができていないかを調べるペット検査を受け、年に一度の脳ドッグ検診もありました。これとて安くはありません。検査結果を聞くときにはハラハラドキドキしますが、同様に受付で支払いをするときにもハラハラドキドキします。

横光利一の「旅愁」 42013/11/16 23:03

「ある日、ドームで千鶴子と矢代がショコラを飲んでいると、丁度二人の前で、黒人の女と白人の男がしきりに何事か睦まじそうに話し込んでいたことがあった。矢代は見ているうちに、どうしても一致することの出来ない人種の見本を眼のあたり見ている思いに突き落され、その二人の間の明白な隙間に、絶望に似た空しい断層を感じて涙がにじみ上って来た」

 横光利一がヨーロッパへ旅行したのは1936年(昭和11年)のことです。そして、翌1937年(昭和12年)から「旅愁」の新聞連載をはじめました。つまりこの小説に書かれているヨーロッパへは横光が1936年(昭和11年)に見聞したことが下敷きになっているのだと思います。いまから77年前のヨーロッパです。

 前述の文章を読んでいて僕はハリウッド映画である「招かれざる客Guess Who's Coming to Dinner」を思い出しました。1967年のアメリカ映画です。大変有名な作品ですから多くの方がご覧になっていると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=vGSo4kpT2bY
 この映画の主題はシドニー・ポワチエが演ずる「黒人青年と白人女性の結婚を巡る家族の葛藤」であろうと思います。アメリカ社会では、今では使ってはならない単語とされるニグロという言葉が盛んに使われていることに1960年代の時代性が見えます。
 この作品が作られたころ僕はヨーロッパにいました。当時のパリでは黒人と白人の組み合わせは日常的なことであって誰も好奇心を見せませんでした。

 ジョン・F・ケネディが議会へ新しい公民権法案を提案したのが1963年で、リンカーンが奴隷解放宣言をしたのがこのちょうど百年前です。この公民権法案が議会を通過したのはジョンソン政権下で1964年です。

 日本ではいまだに「日本は単一民族の国家」とか「日本の価値観が壊されてはならない」、「相撲は日本の国技だから・・」などという発言を耳にします。
 横光がいう「どうしても一致することの出来ない人種の見本を眼のあたり見ている思いに突き落され、その二人の間の明白な隙間に、絶望に似た空しい断層を感じて涙がにじみ上って来た」という価値観がいまも続いているような気がして、僕はそのことに絶望に似た空しさを感じてしまいます。

額縁の店「ラボ・フューズ」2013/11/24 21:28

 僕が東京などで写真展をするたびにお世話になっている旭川の額縁屋さん「ラボ・フューズ」が、しばらく無店舗で仕事をしていましたが今年の8月に店舗を設けました。
http://labofyus.blog.so-net.ne.jp/archive/20130806
 
 先にも書きましたが僕は副鼻腔炎で3週間以上も不調が続いていました。ようやくここ2~3日、ズルズルの鼻も乾き始め、治っているような気がしてきました。そこで思い切って念願のお店を拝見したく妻と一緒に旭川へ出かけてきました。
 バスを利用することが多いのですが今回は自分で運転をすることにしました。コンパクトカーをレンタルしてニセコへドライヴした時の快適さについて以前に書きましたが、今日は自前のコンパクトカーを運転しました。予定通り軽自動車から乗り換えましたのでその試しのようなものです。
 往復でちょうど300キロの距離でした。帰宅して、僕も同行した妻も「疲れが全然違うね。これなら長距離でも大丈夫だね」という結果でした。軽自動車の倍の排気量程度の車なのですが・・。

 さて、本題の「ラボ・フューズ」です。
 そのお店は実に楽しいのです。額縁屋さんが何故そんなに楽しいのかって?そりゃ、自分自身を額装できそうな畳3枚分くらいもある超大型の本縁からハガキを飾る小型まで、また精巧な彫を施したのからシンプルな意匠のまでと様々な額縁が壁面を飾っているのです。
 それにね、額縁に施されている色が・・これまた美しい!木目が楽しめるのも無論あるのですが赤系や黒系のもあるのです。それらに自分の油彩やスケッチを入れたら、そりゃ、映えますよ。
 僕の場合は写真ですが、下手な写真でも「あら、どなたの作品ですか?」って言われそうな雰囲気を醸し出すのです。実は今日も、僕は何度も展示されている商品を見た後で、そろそろ帰りますと言って会計カウンターの後ろの壁を見て、??と思ったのです。自分の作品が額装されて飾られていたのですが、あまりにも立派な作品に見えて気付かなかったくらいなんです。はい、いい額縁の力を実感しました。

 もう一つ、新しい商品も展示されていました。それは、本縁製作の技術でつくられたアクセサリリー群です。残念ながら無粋な僕はこれについてはあまり書くことはできません。やはり女性の特権のように思うのです。妻が同行したのにはここに訳があったようなのですが・・。
 多くはペンダントだと思うのですが用いられている材料が木ですから手に取ってみると大変軽いのです。僕の虚弱な首でも耐えられるような気がします(笑)

 ドアからお店に入って左手奥には大きなテーブルが置かれています。僕は大きなテーブルが好きなので目ざとく見つけましたヨ。その大きなテーブルは表通りに面していて陽がさんさんと差し込んでいました。僕にはそれだけで十分幸せなのですが、店主のイトウさんは美味しいコーヒーまで、それも2杯もごちそうしてくださいました。
 
 こんなお店が楽しくないはずがありません。もし、お手元に旅先で買った絵葉書や思い出の写真、紙の物に限らずお気に入りのぬいぐるみでもミニカーでも、何でも額縁に入れたらどんなだろうかと思ったら、お出かけください。きっといい額縁と美味しいコーヒーとイトウさんの笑顔に出会えると思います。

【ラボ・フューズ SHOP】
■営業時間/午前11時〜午後6時
■定休日/毎週月曜日、第1・3日曜日
■住所/旭川市豊岡4条3丁目4番19号 
■電話/0120-75-0330 
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【オーダー額縁&リースフレーム(レンタル額縁)ラボ・フューズ】
ホームページ http://www.labofyus.com
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写真展「そこに、ある」2013/11/26 15:32

大通公園ではベンチの撤去作業が盛んに行われていました。冬将軍がやって来る前ぶれの、恒例の風物詩です。これからは散歩途中で「ドッコイショ」とベンチに腰を下ろして一休みができなくなります。
しかし、僕には隠れベンチがあります。やはり、大通公園の6丁目にある富士フォトサロンがそれです。

久しぶりに立ち寄ってみました。風景写真の展示が多いのですが今日は違っていました。
「そこに、ある」というのですが何があるのかと気になります。出展者の宮崎早智子さんは在廊でしたので少しおしゃべりをさせて頂きました。
宮崎さんは日常生活の光の中に「......、(何かが)ある」と表現をなさりたいようでした。さて、何があるのか、会場でぜひ、感じて見てください。

富士フォトサロン 27日(水)ま。

僕の時間を奪うな~!2013/11/27 20:52

 近頃の世の中は大変重苦しい雰囲気が漂っていると感じています。原発問題や秘密保護法案が原因かと思っています。僕は原発再稼働に反対です。また、秘密保護法案にも反対です。その根拠はと問われれば僕には十分な説明力がありません。

 妻ともどもTVニュースを見ながらあーでもない、こーでもないと話している分には互いに「そうだよね、おかしいよね」ということになり納得なのです。しかし、僕の反対の理由を誰にでも理解してもらえるように説明をしようとすると容易ではありません。問題点が多岐にわたっていて勉強不足な僕にはできそうにありません。そして、腹立たしさを感じるのです。

 新聞を読みTVニュースをしっかり観ているつもりですが近頃は加齢による睡魔が邪魔をして苦戦をしています。

 腹立たしさを感じるのには2つの理由があります。一つは素早く理解十分となれない自分の能力不足です。もう一つは人生の残り時間が限られている僕の貴重な時間を、例えば小学生にでも分かる原発の危うさを理解しようとしない大人の屁理屈を読んだり聞いたりするために費やさなければならないことです。

 一方では、僕一人が事の重大さを分かろうが分かるまいがそれで世の中が変わるはずもない、というささやきも聞こえてきます。

 いづれにしても、今の日本国政府と与党のやり方は好きではありません。「原発はんた~い」「秘密保護法はんた~い」に加えて「僕の時間を奪うな~!」と叫びたい気分です。

閑話休題
 僕が利用しているASAHI-NETにはASAHI-NET利用のブログのアクセス数トップ100が掲載されています。なぜか、僕のはトップ10を近頃維持しています。ときどき一桁になったり、ず~っと下がったりもしますが、100から外れることはありません。
 アクセスする度に「また、大坂のヤツ、更新してないな」という場合も数えられていますが、ひとえにここを訪れてくださる皆様のおかげです。ありがとうございます。

追伸
 トップ10でも100位以内でもASAHI-NETからご褒美は出ません。

雪です。2013/11/28 07:58

 毎年、この時期になると、降ってほしいような、降ってほしくないような、幾つになっても早朝に目が覚めて、窓の外を一番にみて、「おー、来たな」と心の中でつぶやく自分がいます。

 今日の天気予報は「雪後曇」となっています。

怖いです。2013/11/30 20:51

記事は朝日新聞2013-11-29の朝刊。
僕はこの記事を読んでドイツ映画「善き人のためのソナタ」(2006)(原題 Das Leben der Anderen, 英語版 The Lives of Others)を思い出しました。
当時の東ドイツの秘密警察シュタージ(Stasi)の工作員と、表現の自由を奪われ、監視された作家を描いたドラマです。
うっかりすると日本の警察はシュタージのような活動を行うような恐怖心にかられます。

http://d.hatena.ne.jp/wanbi/touch/20120802/1343862494
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