個展寸景-32009/10/01 22:27

個展2日目。
今日もいろいろな方の人生のお話を聞かせていただきました。
僕の写真を見て、実家の母親の苦労を思い出したと、目に涙を浮かべていた60歳代の女性が居ました。
また別の女性はむつ市役所に勤務していたときに、東京から市役所にコンピューターの営業に来ていた男性と知り合い結婚したという、馴れ初めの話も聞きました。
下北出身の若いカップルは、「こんな下北、知らない!」と半ば僕をにらんでいました。そりゃそうです、と僕はいいました。これは45年前の下北半島の様子であると改めて説明をしました。
みんな、それぞれの人生ですね。


今日は毎日新聞朝刊に僕の展の案内が出ていました。
前述の目に涙していた女性が教えてくれました。「下北」という文字が新聞に出ていると「とにかく目に付いて」といっていました。

個展寸景-4 南川泰三氏のブログ2009/10/02 09:56

昨日、僕ら夫婦が敬愛する小説家で放送作家である南川泰三氏が超多忙の中、僕の個展を見に来てくれました。
そして、氏のブログに「新宿区下北半島」と題して展を紹介してくれました。
僕が19,20歳のときの、若造だったときの作品です。


僕は南川氏の文章を読んで、残り時間の計算が始まった人生ながら、これからも写真を撮っていけそうな勇気と力をもらいました。
何度も読みながら、おろおろし、涙が出てきて・・。
本当にありがとうございました。
http://taizonikki.exblog.jp/

個展寸景-52009/10/02 23:37

3日目の今日も色々な出会いがありました。
45~6歳の背の高い男性が風のようにスーっと会場に入ってきました。
つかつかっと販売用のカタログを陳列してあるテーブルに歩み寄り、2冊を手にしました。
僕はどうしたのかな、と思いながら様子をみていました。展示作品を見もせず、いきなりカタログを2冊も手にし、「あの~、お金は?」と僕のほうを見ているのです。
僕はあっけにとられて「2冊ですか」と聞きました。
「昨日、作品を見させてもらいました。実は僕は5歳くらいまで大間に居ました。その後、色々あって母親と一緒に東京に引っ越してきました。
ちょうどこの写真の時代に母親は大間で苦労をしたはずです。
一部は母親のために、もう一冊は僕のために、です。」とその青年は話してくれました。
僕は一瞬、プレゼントをしようかと思いましたが思い直しました。
やはり購入をしてもらった方が良いのだろうと。
思わず「お母さんにどうぞ宜しく」といってしまいました。

個展寸景-62009/10/03 23:13

今日も雨模様の東京でした。札幌から雨を持ってきたような気がするくらいに、我々が上京して以来、ず~と曇りか雨が続いています。
そのせいか、あるいは、土曜日のせいかは分かりませんが昼前は少々心配なくらい数人のお客さんだけでした。
天気が回復し始めた午後1時過ぎころからぼちぼちとお客さんが見え始め、ちょっと安心しました。個展では物品の販売をするわけでもありませんが、やはり、人の動きが鈍いと気になります。


お客さんは圧倒的に男性の年配者が多く、若い女性のお客さんは珍しいことです。
その中の一人、23~4歳の方は「どうしたら写真がうまくなりますか」と真顔で僕に聞くのです。本当は僕が知りたいことなのですが、一応、64歳にもなっているので知ったかぶりをしなければと思い、「テーマを決めて~」とか「とにかく枚数を撮って~」などと答えにもなっていない、もっともらしいことを言いました。話していて自分が恥ずかしくなりました。
どなたかいい答えはありませんでしょうか。


男性客の中の75歳と81歳の方とお話をしました。
お二方とも大判のカメラと三脚をもって日本中を旅をして写真を撮っているということでした。
僕はあと10年、つまり、75歳ころまで写真を楽しむ体力が続けばうれしいなと思っているのですが、そのことを話したら一笑に付されました。
今日も生き続けるエネルギーを頂きました。


写真は、昔は「しょんべん横丁」と呼んでいたように思うのですが、今はもっとこぎれいな名称になっている新宿西口の飲食店の密集した通りです。高校生のころ、学校の帰り、ここで50円のラーメンを食べるのが楽しみでした。
この通りもまた、夜な夜なサラリーマン諸氏に生きる力を授けています。

個展寸景-7 額について2009/10/04 20:36

今回の展の額装は先回と同じで札幌の「ラボ・フューズ」にお願いをしました。(左にリンクがあります。)
さて、写真のようなデザインの額です。ラボ・フューズのスミタニさんの力の入ったデザインです。無論、製作もスミタニさんです。


ご存知のよううに多くの場合、写真の額装には黒のフレームに白や淡いクリームの紙製マットを用います。しかし、今回のはその考え方とはまったく異質な、「下北半島~」、「モノクロ」、「古い写真」に合うように、
と考えられたものとなりました。
飾り付けのために大きなダンボールを開けたときのアサヒペンタックスのあるスタッフの反応をあえて言葉にすると「ギョッ」だったと思います。そこにはまったく予想をしていなかった朱色を用いた額があったので、その人は何と言ったらよいか分からなかったのだと思います。


さて、会場での反応はといいますと・・。


この種の場合、否定的な声を聞くのは難しいのでしょうが、顔の表情を観察していると検討がつきそうな気がします。
入り口から入り、額の朱色を見た瞬間、少しの戸惑いを見せます。
そして、作品に顔を近づけたり、少し離れたり、一歩下がって見たりしながら一巡し、もう一度ぐるりと回り終えるころには、安堵し、「なるほど」という表情を見せてくれます。


「すごくいい。作品にぴったり。」とか、「古い時代の写真を実にうまく引き立てている。」、「写真を浮き上がらせていて、効果的な色だ。」などと好意的から絶賛まで、様々な反応をいただいています。
無論、先のアサヒペンタックスのスタッフも今では「やはり、この朱色は生きていますねぇ」、「この黒も凝っているねぇ、質感がいい」とおっしゃってくれます。

個展寸景-9 一週目が終わりました。2009/10/05 23:15

午後から雨模様となった東京の新宿です。
2週間の期間のうちの半分を終えました。
少しほっとしています。


また、このブログのヒット数が1万を超えました。
3月にはじめたときはいつまで続けることができるかと思っていました。
しかし、ひとえに皆さんのおかげでここまで来ました。
「もっとまともな写真を撮れないのか」とか「文章が面白くないな」などと心の中では思っていても、紳士淑女なる皆さんは口に出して言いません。その分、実に心苦しいのですが、多分、これからもこの調子で、さして進歩無く続くような気がします。ご勘弁ください。
2万ヒットを目標に、などと大きなことを考えてはいません。ブログ大先輩の小説家 南川泰三氏のように7万ヒットももちろん目標にしていません。僕の目標は・・・。
達成できないと恥ずかしいので書かないことにしましょう。
まあ、せいぜい毎日1枚でも2枚でも写真を撮ることでしょうか。


さて、今日の展の様子はというと、多分、今までで一番多くのお客さんが来た日ではないかと思います。昼過ぎに少し途絶えただけで、あとは切れ間無くお客さんが来てくれました。遠く静岡から見に来てくれた方もいてびっくりしました。


今回の展ではお客さんに感想を書いていただいています。それらのいくつかを写真でご紹介したいと思います。
写真をクリックして拡大してお読みいただければ幸いです。

個展寸景-9-22009/10/05 23:56


個展寸景-9-32009/10/05 23:57


個展寸景-9-52009/10/05 23:59


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